ITC STUDIOのこと

いろいろな小説を読んできた中で、ただ一人だけ「この人のようになりたい」と思った人物がいて、今も生き様を参考に、僕自身の行動に映している人がいる。辻村深月「スロウハイツの神様」という作品に出てくる赤羽環という人。人気脚本家にしてアパート「スロウハイツ」の家主。スロウハイツには様々なジャンルのクリエイターや、その卵たちが住んでいる。

 

ITC STUDIOのコンセプトはこの「スロウハイツ」に大いにインスパイアされている。ただし、僕のイメージする建物はアパートではなく音楽スタジオ(リハーサルスタジオ)だ。

 

地上3階、地下2階建ての仮想音楽スタジオ。間取りのイメージもしっかりあるので、いつかきちんとデザインしてバーチャルに建てたいと思っている。

 

僕の活動は「広すぎて何をやっているかわからない」と言われるし、いろいろと説明しきれていないことについては僕自身も良くないと思っている。でも、全てはこの建物のそれぞれの部分の機能として動いているんだ、ということで、少し整理がつくかもしれない。いくつかの作品や企画、番組のタイトルに、この建物のイメージは入っている。

 

ITC STUDIOの各階の様子について述べよう。

1階にはエントランスがあって、受付があって、待ち時間のアーティスト同士が会話できるラウンジスペースがある。多少飲み物や食べ物が注文できる。BGMが流れている。ラウンジには絵画や布が飾ってある。奥にはライブやセッションもできるような少し広めのスタジオがある。

 

地下1階はいくつかの練習用のスタジオに加えて、たばこの匂いがするようなよりディープな会話が聞こえてくる廊下のスペースがある。

地下2階は倉庫。楽器がしまってある。

 

2階にも小さ目の練習用スタジオがいくつか。DTMの環境もあって、僕自身がこの2階で楽器の練習をしたり、作曲をしたりしている。まだ全貌が明らかになっていない小部屋もある。

 

そして3階は僕の居住スペース。このスタジオを切り盛りするためのオフィスや会議室がある、STAFF ONLYの空間。このスタジオを利用してくれて生まれた音楽を拡げていくためにいろいろやっている。将来に向けての勉強部屋(書斎)などもある。僕はここに住んでいて、なにか気になったらすぐ階段を降りていける。

 

誰でも入店できるし、みんな用事が終わったら帰る。そういう自由な居場所。ここ数年の活動で、この仮想のスタジオは、だいたい形作れたのではないかと思っている。

 

当初はITC STUDIOは、ただ僕のホームページ名であり、M3で使うサークル名だった。スタジオと名付けるにあたっては、「サンライトスタジオ」や「studio BSW」の影響も受けていて、なんか「~のページ」とか言うよりスタジオという言葉がしっくりくるな、という程度。いまのこの建物のイメージは、正直なところ後付けではあるけれど、僕の様々な方面の活動を結び付けるうえで、大きな役割を果たしています。

 

ちなみに、ITCの部分は、当然、僕がネットに最初の曲を出してから今日まで一貫して同じハンドルネーム「Itcha(いっちゃ)※」から頭文字3文字をとったわけだけれど、半分ふざけて「Information Tehcnology and Creationの略」と言っている。

※Itchaの話は、また後日。

 

このスタジオに来てくれる人との新しいコラボレーションや、ラウンジでの濃い会話の紹介、そして僕自身の2階や3階それぞれのアウトプットを、今後も期待いただければ、家主としてうれしいです。

また、ぜひこの仮想スタジオに今後も気軽に遊びに来てください!